読み書き障害の中学生男子|テストの結果を出した方法とは?

弟(四男)には読み書き障害があります。

この記事では勉強をまったくやってこなかった弟の、小学生時代を振り返りながら、心の変化や葛藤も含め、テストの点数を爆伸びさせたコツをお伝えします。

夫が自閉症スペクトラム。弟はADHDに学習障害。障害者支援施設での勤務経験や、発達障害の子どもたちの家庭教師をしていました。その経験を生かし、SNSで発信をしております。

読み書き障害とは

学習障害に位置づけられる読み書き障害はディスレクシアともいいます。

文字の読み書きに限定した困難さをもち、知的能力の低さや勉強不足が原因ではなく、脳機能の発達に問題があるとされています。

  • 文字を一つずつ拾って読む
  • 単語や文節を途中で区切ってしまう
  • 文字間が狭くなると読みにくくなる
  • 文末などを適当に変えて読んでしまう
  • 画数の多い漢字は間違えやすい
  • “わ”と”は”のように耳できく音の表記を誤る
  • 似ている文字の誤りが多い

まず読むことにすごく疲れるので、文章から理解をするという段階にまで到達するのが難しいです。

小学生時代「やりません」

小学生の頃の四男は「やりたくないからやらない」という選択をしてきました。

我が家では極端に言ってしまえば「やりたくなければやらなくていい」というのが通用します。自己責任でOKな家庭です。

例えば、授業を受けないのも本人の自由。ただ、一生懸命授業を受けている子たちや先生たちの邪魔になることは絶対にしないこと。その約束だけは守りなさいと教えられています。

四男は4年生まで通級と普通級を行き来していました。

普通級よりも先に進めてくれる通級で「みんなより進んでいる」「みんなができないことを俺はできる」と、自信をつけながら頑張っていました。

頭の回転がはやいので計算は得意!しかし国語は地獄の時間。

文字が密集していると読みにくいため大きく印刷したものを用意するなどの工夫はしていましたが、文章を読むだけでも疲れるうえに書かなくてはいけない。

“わ”-“は”、”お”-“を”の区別は何度言ってもなかなか覚えられませんでした。

1分前に書けた漢字も、すぐに書けなくなる。画数が増えて複雑になっていくのが苦痛で漢字ドリルはとても嫌いでした。

習字の授業では道具を広げない。汚れるのも書けないのも嫌だから。

失敗が嫌すぎる

発達障害の子はこだわりが強く、その背景にはとても完璧主義な一面があります。

「失敗するくらいなら始めからやりたくない!!」

自己肯定感の低さも関係しているのかもしれませんね。

四男が小学校低学年の頃、漢字の宿題を一緒にやったとき、わたしはとても反省しました。

「さっきは書けとったよ!」

励ましたくて何気なく放った私の言葉に四男は泣きました。

気持ちを100%理解することはできないけれど、すごく後悔しています。そして、わたしの中で支援というものの見方を変えたきっかけでもあります。

やりません→どうしたらできるか?

中学生に入り、四男が変化しました。

もーーーー嫌で嫌で仕方なかったけど、やりやすくなる方法をみつけたんやて!好きな音楽をガンガンに聴きながらやったらスラスラ書けた!

文字を書く=苦痛、嫌だ、最悪というイメージを好きな音楽でカバー。

嫌なことをいかにやりやすくするかを四男なりに考えて実践したんです。

「嫌だけどやらなくちゃいけないから、どうやってやろうか」を考えられるようになりました。

戸惑いと葛藤に苦しむ姿

  • 情報量がいっぱいな黒板は見にくく、どこが大切かわからない
  • ノートをとることに集中すると理解が追いつかない
  • テスト勉強では問題文のオンパレード
  • 問題の意味を理解するのも難しく、解く前に疲れてしまう
  • 頑張りたい気持ちはあるのにイライラしてしまう

四男、とても頭はいいんです。授業が合っていない。ただそれだけだなと感じました。

力があるのにやる気もあるのに、みんなと同じようにはいかないところに戸惑い葛藤していました。

結果を出すことが超重要

俺300点とりたい!

中間テスト1週間前になって突然です。

雪音

(まじか)※心の声

でも初めてやる気になったこと。そこが素晴らしいから、四男の気持ちを尊重したいと思いました。そしてやるからには結果をだして達成感を味わってもらうため、わたしも本気を出します。
※もともと家庭教師やってました。

ただ目標点数が高すぎないか?と心配で、250点でどうかと交渉。本人にやる気があるからできないとは思ってなかったのですが、達成できなかったときに自信を失ってはいけないからです。

でも300点と言い切るので、頑張りました!

授業の内容はさっぱり理解していないうえに基礎がないという、いわば0からのスタート。慣れない勉強に戸惑いイライラしながらも、長時間椅子に座って、読んで、書いて、1週間頑張りました。

できる科目、分野をとにかく伸ばしました。一番はここです。確実なところに投資するのです。

聴覚優位なのか視覚優位なのかを見極めつつ、目標を都度確認(意識させる)しながら、できないと思えば違うところを勉強。強いところは繰り返し、できるという自信をつけさせる。

成績を上げることが目標ではありません。

300点をとること、そしてそれを達成させ、自信をつけさせることがゴールです!

テストの結果は…

なんと320点を超えたのです!!!

平均くらいで、決して高いとは言えないかもしれません。

だけど、ハンデもあるなか0からのスタート。たったの1週間で目標を達成できたことが本当にすごい!

わたし、感動して泣いちゃいました。 

実はギリギリ無理かもしれないと思っていたので、前日に保険をかけていました。頑張った過程をひたすら褒めて。でも目標を超えて、ほっとしました。

まとめ

  • 本人にやる気があるならこちら次第
  • スモールステップ
  • 失敗はさせない
  • 苦手はとりあえずスルーも大事
  • できるを伸ばす
  • やりませんもやりたいも尊重
  • 親の気持ちは入れない(成績とか)

細かい学習のコツは、また別の記事でまとめます。

歩幅を合わせよう

ついつい周りと比べてしまうし、できてないところが気になるもの。欠点に目がいくのがわたしたち人間なので仕方がない。

ですが、変化してないように見えても本当に少しずつ前に進んでいます。わたしは彼らと同じ歩幅で見守ってあげたいといつも思っています。

彼らと同じようにゆっくりゆっくり…

では、失礼いたします.

パニック焦り、強い不安に二次障害で自傷…そんな発達障害の夫が変わった方法をお伝えしています。そして大切な支援者サイドの心労や不調の救い方も。